支援に協力したいかた

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支援に協力したいかた

司法手続きについて

【警察に行く】<犯罪の発生・発覚>

被害に遭った方は、まず110番したり警察署に駆け込んだりして、警察官に被害のことを伝えます。
ふだん運転免許の書き換えと落とし物の問い合わせ、あとは交通違反の取り締まりくらいしか警察との接点のない普通の人にとって、「警察」は、思う以上にハードルが高いものです。
大げさじゃないか、大ごとになってしまうのではないか、相手にされないのではないか。
そのように感じる人がたくさんいます。特に性的な被害の場合は、被害に遭った人のほんの数%しか警察に相談していない、というデータもあります。
≪支援ポイント≫
身近な人に「警察に行こう」と背中を押され、同伴してもらうと、このハードルの高い第一歩を踏み出しやすくなります。警察にあらかじめ電話をしておくと、被害内容にあった部署の警察官に相談することができます。
性犯罪など、体に残った痕跡がシャワーを浴びたら消えてしまうような場合は、一分でも一秒でも早く相談に行きましょう。警察での証拠採取が終われば、安心してシャワーを浴びられます。被害に遭われた方々の多くは、証拠採取を待てないくらい、少しでも早く、シャワーを浴びたくてたまらないのです。

【警察で話をする】<捜査の開始>

詳しくは後日、となる場合もあれば、その日のうちに詳しく話を聞かれたりして、長い時間がかかる場合もあります。予定があって時間がない場合は、早めに警察官に伝えておけば、配慮してもらえます。
いずれにせよ、つらかった体験について根掘り葉掘り聞かれ、詳しく思い出すのは、とても負担が大きく、疲れることです。「被害者に非がない」と確認するための質問もたくさんされるために、「被害者が悪い」と言われているような気持ちになることもあります。
≪支援ポイント≫
心身とも疲れ果てて、帰り道ぼーっとして車にひかれそうになったりホームから落ちそうになったりするかもしれません。イライラと攻撃的な気持になっているかもしれません。 そんなとき、ご自宅まで送ってくれる人がいると安全に帰宅することができますし、話を聞いてくれる人がいれば、少し気持ちが落ち着きます。

【証拠となるものを預けることがある】

写真を撮るだけで返してもらえる場合もあれば、そのまま預けることになる場合もあります。
被害に遭った方は、被害を思い出すことがつらすぎて、警察に話しに行く前に痕跡の残る衣類を洗濯してしまったり、証拠になりそうなものを全部捨ててしまおうとすることもあります。
≪支援ポイント≫
何が証拠になるのかを自分たちで考えるのではなく、なるべくそのまま、早いうちに警察に相談することができれば、証拠の力を最大限に活かせることができるかもしれません。
洗ったり拭いたりせず、極力触らずもっていきましょう。貴重品やスマホなど持って帰りたいものは、警察官に伝えれば配慮してもらえます。

【捜査について連絡がある】<犯人の特定・逮捕>

加害者が逮捕されるなど、進捗があれば警察から連絡が来ます。
加害者がすぐに捕まる場合もあれば、ずいぶん経って日常生活を取り戻してから捕まる場合もあります。
≪支援ポイント≫
加害者が捕まったことを聞いてほっとする人もいれば、ひどく動揺したり、被害時のことを思い出して体調を崩したりする人もいます。加害者の年齢によっては、裁判にもならず、被害者は「泣き寝入りするしかない」ような気持ちになることもあります。
捕まってよかった、頑張った甲斐があった、でも当時のことを思い出して眠れない、食欲がない、体調が悪い、犯人の家族に悪いことをした・・・人により時期により、その時の思いは千差万別です。少し日が経っていたりすると周囲の人には「過去のこと」になっていて、当事者はひとりでその気持ちを抱えざるをえなかったりします。
そんな時、ただ「捕まったね」とつぶやいてくれる人がいるだけでも、心の支えになることもあります。「過去のこと」じゃないよね、今もまだ渦中だよね、そんな姿勢で、そのニュースを聞くこともまた支援なのです。

【送致される】

警察での捜査が終わると、その結果をまとめて検察庁や児童相談所、家庭裁判所などに送ります。ここからの問い合わせ先は検察庁や家庭裁判所になります。確認したいことがあれば、検察庁の被害者ホットラインなど、それぞれの窓口で聞いてみましょう。
≪支援ポイント≫
ここまで事件の話をずっとしてきた警察官に「事件に関するその後の進捗」も聞きたくなる方は少なくありません。でも、警察の手を離れてしまうので、警察ではどうにもなんだかはっきりした情報が得られず、もやもやしていることもあります。
そんな時は、「被害者ホットラインに聞いてみようか」「家庭裁判所に聞いてみようか」と提案してみましょう。

【検察で話をする】<検察官の事情聴取・調書作成>

検察庁から連絡があり、また事件の話をすることになります。「全部警察で話したのに」「警察から書面にまとめて伝えてあるはずなのに」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、被害について正確に理解するために、警察からの書類や伝聞ではなく、検察官が直接当事者の方からお話を伺う必要があります。
≪支援ポイント≫
事件から少し時間が経ち、やっと少し生活リズムを取り戻しかけたところで再び事件について思い出さなければならないのは、本当にしんどいものです。心身とも疲れ果てて、帰り道ぼーっとして車にひかれそうになったりホームから落ちそうになったりするかもしれません。イライラと攻撃的な気持になっているかもしれません。
そんなとき、ご自宅まで送ってくれる人がいると安全に帰宅することができますし、話を聞いてくれる人がいれば、少し気持ちが落ち着きます。

【起訴になるかどうか決まる】<起訴/不起訴>

[起訴になる場合]
起訴になるということは、検察官が「ここまで調べてきたことを元に、犯罪の証明が可能であり、加害者に刑罰を科す必要がある」と判断した、ということです。
≪支援ポイント≫
いざ起訴となると、弁護士費用とか加害者の逆恨みとか証人出廷の有無とか、様々なことが心配になってきます。大事にしすぎたのではないか、本当は自分が我慢するべきだったのではないか、そんな気持ちになることもあります。おまけにやることも決めなければいけないこともたくさんあって、どれもこれも初めてのことで、理解するだけでもくたくたになってしまいます。
まずは被害者サポートセンターあいち(052-232-7830)に問い合わせて、当事者の方と一緒に話を聞いてみましょう。不安なことや迷う気持ちをわかってもらえるだけではなく、現実的な手立てについても教えてもらえます。
慣れない話ばかりですから、あなたがそばで一緒に話を聞いてくれたら、当事者の方もきっと心強いことでしょう。
[起訴にならなかった場合]
起訴にならないということは、検察官が「証拠が十分に得られず犯罪の証明ができない、加害者に刑罰を科す必要まではないなど、ここまで調べてきたことを元に、刑事責任を問うのは難しい・不適切」と判断した、ということです。
≪支援ポイント≫
起訴にならなかったからといって、「被害自体が否定される」というわけではありません。しかし、起訴にならなかったことを理由に周囲の方や加害者が被害を否定するなどして、当事者の方を深く傷つけることがあります。
「起訴はされなかったけれど、それは被害のつらさを否定するものではない」と理解し、その悔しさを受け止めてくれる人がいることは、思う以上に当事者の支えになっています。
[加害者が少年だった場合]
加害者が少年だった場合、問える責任は限られてしまいます。また、刑法ではなく少年法によって判断されるために、成人による事件とはずいぶんと扱われ方が違います。
≪支援ポイント≫
加害者が成人であれ少年であれ、受けた被害には違いがありません。にも関わらず成人のようには刑事責任を問うこともできず、「加害少年の未来」ばかりが語られて、当事者の気持ちや権利がないがしろにされているかのように感じることもあります。
その中で、「成人のように刑事責任を問えない」その辛さ悔しさを理解し、受け止めてくれる人がいることは、思う以上に当事者の支えになっています。

【裁判が始まる】<公判>

裁判を傍聴したことはありますか?被害者が「どうしてあんなことが起きたのか、真実を知りたい」とただ願っている目の前で、加害者は「犯罪行為をせざるを得なかった言い分」を並べ、一方的に謝罪のような言葉を口にし、その家族は「加害者の優しい一面」を強調し、・・・という場になることは珍しくありません。 それでなくとも、必ずしも被害者にとって満足のいく判決が得られるものでもありませんし、一番欲しいのは謝罪ではなく「被害に遭わなかったはずの人生」です。
≪支援ポイント≫
裁判でのやりとりは気になるけれど加害者の言い分を聞かされるのは辛すぎる・・・という方のための代理傍聴など、被害者サポートセンターあいち(052-232-7830)が様々な支援を用意しています。また、弁護士会や裁判所も様々な被害者支援を行っています。 そんな支援を受けてもなお、裁判所に向かう足取りは重く、帰り道はため息をつきがちです。愚痴もこぼせないほど疲れた気持ちになっているかもしれません。何かを語るでもなく聞き出すでもなく、ただ「疲れたね」と声をかけ、気にかけてくれる人がいるだけで十分なこともあります。

【判決】

被害者が「自分の受けた被害に見合う」と感じるような判決が出ることは滅多にありません。ただ「加害者が悪いと公的に認められた」という事実と、「できるだけのことはしてきた」という気持ち、そして「もうできることがない」という思いがあるだけです。
≪支援ポイント≫
警察、検察、裁判所と事件を扱う公的機関がつないできた支援のリレーの中心が、被害者サポートセンターあいちや当事者会へと緩やかに移ってゆきます。
事件に関するあれこれが一通り終わっても「被害に遭った」という事実には変わりがなく、毎日の暮らしも事件前の状態には二度と戻りません。時とともに周囲の人には「昔話」になり記憶が薄れていきますが、当事者の記憶はなかなか薄れるものではありません。
何年たっても昔話扱いをせず、昨日のことのように話を聞いてくれる隣人の存在は本当にありがたく励みになり、前を向いて歩いていく当事者の力となっていくことでしょう。

【その後の加害者】

その後の加害者がどこにいるのか、いつ出てくるのか知りたい場合には、事件を取り扱った検察庁や家庭裁判所に問い合わせましょう。
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